伴奏者の本番前ルーティーン【楽譜があるか、楽譜が曲順に並んでいるか、譜めくりの箇所の確認】
伴奏をする時の私の本番前ルーティーンを紹介します。
複数の曲を続けて伴奏する時には、共通して言えることだと思います。
アートにエールを!の動画
アートにエールを!に採択された動画の見所は、3人のテノールと、私(ピアニスト)の本番前ルーティーンも撮影したところです。
3人のテノールのルーティーンは、多種多様で笑えます。
私のルーティーンは全然笑えないなのですが、11:55あたりから紹介されています。
以下の3つです。
- ホールの響きチェックする
- 楽譜チェック、譜めくり箇所の確認
- 目を瞑ってなるべく何も考えない
このうち2つ目の「楽譜チェック、譜めくり箇所の確認」について少し詳しく書きます。
楽譜チェック、譜めくり箇所の確認
これは基本的には譜面を見て本番をするアンサンブルの時に特有のポイントです。
チェックするのは以下のようなことです。
- 演奏する曲の楽譜を全て持ってきているか
- 曲の順番
- 譜めくり箇所の確認
- ノリやテープで楽譜がくっついてしまっていないか
以下で1つずつ解説します。
演奏する曲の楽譜を全て持ってきているか
これは入念にチェックします。
私の場合は大体3回くらい確認します。
舞台に出たら、プログラムに入っている楽譜を楽屋に忘れた!なんてことになりかねないからです(まだそういう経験はありません笑)。
実際にそういうことがあった、という笑い話は聞いたことがあります。
曲の順番が正しいか
楽譜が揃っているのは大前提ですが、順番が合っているかどうかも重要です。
間違った曲順で楽譜を置いていたら、順番を間違えて弾いていしまいかねません。
違う曲の前奏が聴こえたら、共演者さんはびっくりしてしまいますよね。
場合によっては楽譜に順番に数字を書いておいたり、曲順が書いてある紙もステージに持っていくこともあります。
特に、本番前にリハーサルをする場合、やる曲とやらない曲があったり、「ちょっとこの曲だけ合わせて良い?」みたいに抜粋でやると、楽譜の順番が一回ごちゃごちゃになっちゃうんですよね。
ですので改めて直前に、順番を何度も確認します。
譜めくり箇所の確認
自分でめくる場合、譜めくりの箇所の確認も直前に行います。
これも、けっこう大事です。
曲はもちろん頭に入っていても、慣れていないと「どこでめくるか」など頭から抜け落ちてしまうことがあります。
(そうならないための方法も、いずれこのブログで書きます。)
どのタイミングでめくるかの再確認や、場合によっては紙を折ってめくりやすくしたりもします。
自分でめくれる譜面作りの大切さ【練習でギリギリめくれても本番でめくれない】
今回は、そもそもなぜそこまで「自分でめくれる譜面作り」にこだわるのかという前提のお話です。余裕を持ってめくれるように、準備することが大切です。起こりやすい事故などを列挙しました。
ノリやテープで楽譜がくっついてしまっていないか
製本を下手にすると、テープが紙にくっついてしまい、2枚以上めくってしまうことになります。
それ以前に、製本の仕方もポイントですね。
前日に慌ててノリ付けした楽譜とかだと、はみ出たノリが紙をくっつけてしまっていたりするので要確認です。
いずれにしても、1枚1枚ちゃんとめくれるかを再確認します。
まとめ
伴奏する際に特有の、本番前ルーティーンをまとめました。
是非、アートにエールを!の動画も見ていただければ嬉しいです。
肝心の演奏は(笑)、《オー・ソレ・ミオ》《カタリ・カタリ》《グラナダ》と名曲揃いです。
高橋健介 KENSUKE TAKAHASHI Official Website
ピアニスト 高橋健介の公式ウェブサイトです。埼玉県出身。大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学楽理科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。在学中、同声会賞、アカンサス音楽賞、大学院アカンサス音楽賞を受賞。日本声楽家協会講師、二期会研修所ピアニスト。
自分で譜めくりできる楽譜の作り方① 【伴奏が同じで言葉が異なる時に、歌詞を下に貼る(La danzaを例に)】
伴奏する時、基本的にピアニストは楽譜を見ます。その時に、「自分で譜めくりする場所がない」といった問題にはよくぶつかります。最近では電子機器で本番をやる人も増えてきて、めくるのがスムーズになっているとはいえ、まだ紙の楽譜で本番をやる人の方が圧倒的に多いです。そんな時に役立つ方法の一つを紹介します。