伴奏パートを弾く前に、歌(楽器)のパートを歌う【アンサンブル・伴奏・ピアノ】
共演者に楽譜をもらい、まだ時間があるのでピアノの上にしばらく放置。
と思っていたらあっという間にもうすぐ合わせ。
時間がない、とりあえず弾けるようにしなきゃ。
焦っていきなり伴奏のピアノパートに取りかかって、とりあえず弾けるようにしようと取り掛かると、たいてい失敗します。
歌詞も歌もわからずいきなり弾き出してしまうと、結局時間がかかります。
結論、【伴奏パートを弾く前に、歌(楽器)の旋律を歌う】です。
最初に歌った方が良い理由
- 合わせの時、歌(楽器)のパートがよく耳に入ってくる
- 最初の新鮮さも大事
合わせの時、歌(楽器)のパートがよく耳に入ってくる
最初の自分の勉強の時に頭に入れてしまえば、相手とやった時に、それ以上のところに耳がいくようになります。
例えば、
・歌パートは自分だったらこうしたい ・楽譜にはこう書いてあるけど、この人はこうしたいんだ
など。
弾いてからでも徐々にわかってくるのでは?という疑問もあるかと思います。
確かに、何度も合わせをしていれば相手のパートもよく聴こえるようにはなってきます。
しかし、それは結果的に遠回りになってしまいます。
最初に歌パートを頭に入れた方が、格段に早いです。
最初の新鮮さも大事
また、曲を初めて見たときの最初の新鮮さも大事です。
ピアノパートだけ見ていたら気づかないような発見が、最初から見つかることが多いです。
これは後半の例で見てみます。
基本的な手順
ではそのために、どんな手順で楽譜を読んでいくか。
- ①まず最初に、歌(楽器)パートを歌う
- ②左手を加える
- ③弾けるパートを増やしていく
声楽作品の場合、この前段階に、歌詞を調べるという大事な作業が入ります。
時間に余裕があれば、その楽曲の背景なども調べます。
※この記事では、楽器を前にして「演奏する」という段階に絞っています。
《音楽に寄せて An di Musik》を例に
例えばシューベルトの《音楽に寄せて An di Musik》。
譜面上は初見でも弾けるくらい簡単です。
でもそう思っていきなり弾き出すのはよくありません。
こういった曲の場合、ピアノパートはすぐに弾けるから、歌の旋律も見ずに弾き出し、いつまで経っても歌のことはわからないということが起きてしまします。
①まずは、歌パートを歌います。
言葉が読めなければ、「ラララ」や「ドレミ」で歌うのが良いです。
もしくはそれも慣れないうちは、ピアノで弾いても良いかもしれません。
②次に、歌いながら左手を加えます。
要は、初期段階の弾き語りです(歌+左手)。
歌の“Du holde Kunst”と、その後の左手の「ファ♯ – シ – ソ♯ – ラ」 が見事に呼応しているのがわかります。
歌のパートと左手の練習をしたことで、この呼応により気付きやすくなります。
ピアノパートのみ見ていたら、永遠に気づかないかもしれません。
③さらに弾けるパートを増やしていきます。
結果的に、右手が加わります。(歌+左手+右手)
弾けるところから加えていきます。
難しい曲だと、いきなり全部は弾けないとは思います。
結果、以下のような順番で見ていくことにになります。
まとめ
楽器の伴奏でも基本的には同様です。
ヴァイオリンやフルートなど音域が広かったり、音が細かくて大変ですが、オクターブ変えたりしながら、なるべく歌うのがとても大事です。
繰り返しますが、
伴奏パートを弾く前に、歌(楽器)パートを歌う
これがキーポイントです。
ぜひ試してみてください。
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