ポモドーロテクニックを使った楽器の練習法
練習していても、集中力が続かない。もっと効率よく練習したい。
そんな経験あると思います。
今回はそんな時に使える練習法、ポモドーロテクニックを紹介したいと思います。
テクニックといっても、こんな風に演奏したら上手くなる、といった話ではありません。
ポモドーロテクニック(Pomodoro Technique)とは?
- タイマーを使ったタスク実行・タスク管理手法
- 25分の集中+5分の休憩を1セット
1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案されました。
ポモドーロとはイタリア語でトマトという意味です。トマト型のキッチンタイマーに由来します。
基本的なやり方は簡単です。
25分間単一のタスクに集中して、5分の休憩をとります。この30分を1セットとします。
特徴は、仕事の大きさに応じて時間を割り当てないことです。
どういうことかというと、このタスクは膨大だから2時間、これはすぐ終わるから15分、と分けずに、全て均等に25分単位で分割します。
様々な分野の人に使われていますが、音楽の分野、特に練習でも使えます。
意外と周りで使っている人はいなさそうです。
練習に使う際のメリット
- 集中力が維持しやすい
- 大きな作業を分割しやすい
- 時間をセットで捉えられる
- 疲れにくい
集中力が維持しやすい
まず、だらだら練習しなくなります。常に25分のリミットが来るからです。
25分はあっという間であることに気がつきます。
大きな作業を分割しやすい
長大な曲を分割して練習することができます。
また、意識することを変えて練習できたりもします。「このセットは呼吸」、「このセットは空間の意識」など。
時間をセットで捉えられる
今日は5セット、午前は3セットのように、時間ではなくセットで考えるようになります。
例えば、練習できる時間が3時間あったとしたら、今日は6セットできる!という思考になります。
また、セットごとに振り返ることができます。
自分はどのセットで集中力が切れるかが分かったり、休憩で何をすると集中が途切れるかなど、セット単位で振り返るようになります。
疲れにくい
ピアノなどの座って演奏する楽器の人は特に、こまめに立って、血液の流れをよくする必要があります。
25分で強制的に休憩に入るので、3時間座りっぱなしになることはありません。
その際のコツは、休憩の時は姿勢を変えることです。立っているのであれば座る。座っているのであれば、立って歩き回る等。
練習に使う際のデメリット
- 長い曲は通しで練習できない
- フロー状態には入りにくい
長い曲は通しで練習できない
1セットの単位が25分なので、25分以上の曲を通して練習したい時には使えません。
*25分の単位は自分で変えることもできます(ただし、固定すること)。
フロー状態には入りにくい
これが1番のデメリットかもしれません。25分経つと強制的に中断に入るので、勢いがついてきても、一度中断されてしまいます。
しかし私の経験では、3セット目くらいにフロー状態に入りやすいです。
25分という単位は均等ですが、それぞれにバイオリズムがあるという感じでしょうか。
それから、「集中しすぎて知らない間に3時間経っていた」みたいなことは無くなります。
時にはこういう没頭も必要なので、毎回ポモドーロテクニックを使うのはおすすめしません。
体験談
ある日のノート①です。
この日は5セットやりました。1セット目で発見があり、徐々に集中していき、3セット目が1番集中してたようです。
4セット目で少しだれてきて、その後の休憩でTwitterを見てしまします笑
その後、他のことを考えてしまったようで、集中力は落ちたでしょう。
休憩中は、歩き回るか、瞑想するかをおすすめします。
ある日のノート②です。
こちらは、その日にやらなければならないタスクを左に書き、右の数字は実際にやったセットと内容です。
左の(ブラームス)はできたらやりたいもの。たいていできないですよね…
線が引いてないものは、やるべきだったけどできなかったものです。
まとめ
- 毎回使うのではなく、必要に応じて使い分ける
- 時間をアレンジすることもできる
結論として、必要に応じて使い分けるのが良いと思います。
時には時間を区切らず、ただただ没頭して練習するという時も必要です。
私の場合は、複数のコンサートの練習が重なったりして、小さい曲が増えるとよく使います。
また、25分という単位は必ずしも守る必要はありません。
例えば、30分+5分にすることも可能です。ただ自分の中でしばらくは固定してみると、1セットでどれくらいできるかがわかるので習慣化もしやすいです。
まだ試したことのない人は、ぜひお試しください。
メニューインとヨガ【楽器を持たない練習法と呼吸法】
以前『ハタヨガの真髄』という本を読んでいたら、最初の方の「推薦の辞」を書いているのがメニューインでした。このメニューインって、あのヴァイオリニストのメニューイン!?そうです。ヴァイオリニストのメニューインは、ヨガ行者アイアンガーに出会い、ヨーロッパ各地でヨガを広めた人でもあるのです。
高橋健介 KENSUKE TAKAHASHI Official Website
ピアニスト 高橋健介の公式ウェブサイトです。埼玉県出身。大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学楽理科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。在学中、同声会賞、アカンサス音楽賞、大学院アカンサス音楽賞を受賞。日本声楽家協会講師、二期会研修所ピアニスト。
よろしければLINE公式アカウントの友達追加もお願いします。
このブログの更新情報や、コンサート情報を時折お届けします。