違う立場になってみて感じること【ピアニストが指揮者に、ピアニストが歌い手に】

アンサンブル・伴奏 思考・日常(音楽)

明日、ドニゼッティの《リタ》を指揮します。

今回は日記みたいな感じです。

ピアニストが指揮者になってみる

普段は指揮者のもとでピアノを弾く

職業柄、色々な指揮者のもとでピアノを弾きます。
主にオペラの稽古です。

ここ数年は毎年、佐渡裕さんの指揮で1ヶ月くらい稽古したりしています(今年は無くなってしまいました)。

過去には、有名なところで秋山和慶さんや広上淳一さんなどの指揮で弾いたこともあります。

指揮を見ながら弾くこと

そういった経験もあって、指揮を見て弾くことにはだいぶ慣れてきました。

最初はめちゃくちゃ苦労しました。
需要があるかはわかりませんが、いずれこのような記事を書こうと思っています。

やることは同じ

ですが、実際に指揮をすることは初心者です。

過去にも合唱の指揮は何度かやったことがありますし、たまに合唱指導もするのですが、オペラは初めてです。

今回は、「振る」という意味で色々勉強しましたが、実際に作品を読み込むという作業はいつもと変わりません。

いつものように訳して、楽譜を読んで、弾いて、歌って、振って…

ただ最終的な出力が、「弾く」か「振るか」という違いです。

ピアノの練習ではよく指揮をする

ピアノの練習の時も、よく指揮をします。
具体的に言うと、「片手で弾きながら振って、歌う」などです。

指揮を予測するためというのもありますが、指揮者の立場になった方が、楽譜の読み込みが深くなりやすいと感じます。

音を出さないで考える時間も増えるからでしょう。

おまけ

稽古中です。

ピアニストが歌い手になってみる

舞台で歌ってみた経験

昨年の秋に、とある発表会で歌を歌いました。
場所は歴史ある旧奏楽堂。

曲はトスティの《私は死にたい Vorrei morire》を歌いました。

歌が勉強になることはもちろん、歌い手が立つ場所(ピアノのくぼみの所)に立つだけでも勉強になります。

ピアニストとしての自分は普段、譜面の先に歌い手が見えます。
ですが歌い手の位置に立つと、後ろにピアニストを感じます。

空間の意識の変化

歌い手の位置に立って実際に歌ってみると、空間の意識が変わります。

つまりピアノを弾く時に、歌い手が見る空間も感じられるようになるのです。

単純に「ピアノがどう聴こえてくるか」ということもわかるようになります。

おまけ

まとめ

色々な立場になってみることで、見えてくるものも変わります。

なるべく色々な経験をしたいなあと思っています。

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