今見えていないものを見る【イメトレの効能】
人間、今見えているものを見てしまいます。
先を見る時も、現状から未来を見ようとします。
そうではなく、まだ見えていないものを見たい。
まだ味わったことのない音の世界を味わってみたい。
そういう欲求は、音楽をやっている人なら持っているのではないかと思います。
巨匠には何が見えているのか
巨匠の演奏などを聴くと、自分とは見えているものが違うのだなと思います。
それは経験から来るものかもしれませんし、もともとの能力かもしれません。
そこに少しでも近づきたくて、色々な演奏を聴いたり、自分も色々試してみたりするわけです。
指揮でも同じ
良い指揮者は、歌手や奏者が今見えていない「先」「未来」を提示してくれます。
だからこそ、奏者は時に、普段の何倍もの力が出せたりします。
魔力ですね。
自分も時々指揮をしていますが、それが難しい。
振っている「今」を見てしまいがちです。
イメトレの効能
理想がないまま練習すると、なぜか(当たり前かもしれませんが)下手になっていきます。
現状維持=劣化
とも言えるかもしれません。
原因の一つには、「練習している現状の自分」に自分を合わせてしまう、ということがあると思います。
そのためにも、楽器を離れて頭の中だけで音を作る時間が必要です。
指揮の準備をする時って、この時間が長いんですよね。
ピアノの練習だと、いざ楽器に向かって弾き出してしまう。
今弾いている音を聴くのではなく、未来の音を聴きたいものです。
そのためにもまずは、イメトレの時間を作ることが大切だと思います。
まとめ
人生でも音楽でも同じだと思いますが、まだ見えていないものを見ていきたいです。
芸術の世界ではそれが可能だとも思うからです。
2021年も厳しい年になっていきそうです。
ですが、常にこういった思考は持っていたいと思います。
高橋健介 KENSUKE TAKAHASHI Official Website
ピアニスト 高橋健介の公式ウェブサイトです。埼玉県出身。大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学楽理科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。在学中、同声会賞、アカンサス音楽賞、大学院アカンサス音楽賞を受賞。日本声楽家協会講師、二期会研修所ピアニスト。