お金・時間・音楽
お金と時間を気にせずに没頭できた日々
資本主義における音楽
今では私の演奏活動のほとんどは「仕事」という形になってしまっています。
つまり、お金という対価をいただいて演奏するということです。
資本主義というこの世界では、音楽で仕事をする以上、音楽を「ビジネス」として捉えざるを得ないのは仕方ありません。
音楽の本来
ですが、「自分が音楽をする」という意味では、そこにはビジネス的な感覚は基本的に無い方が良いです。
高校生まではお金をもらって演奏することは無かったと思いますし、仕事という感覚もなく、好きなように弾いていました。
この感覚は、本来忘れるべきではないんですよね。
(私はよく先生に「ビジネスライクな演奏」と言われてしまいます。)
ただただ音楽に没頭する時間
大学生の頃は、授業が終わってから夜遅くまで、楽器の子や歌の子たちと合わせをしていました。
大学1年生の頃から、伴奏してお金をもらうことはありましたが、今に比べれば少ない額ですし、お菓子の時もありました。
自分の中でも「仕事」という意識は当然今よりも少なく、ただただ良い音楽をしたいと没頭していました。
もちろん今でもその意識は常にありますが、今以上に「お金」と「時間」を気にせずにやっていたのです。
もちろん私だけでなく、相手の方も同じです。
良くも悪くも成長して行くほど、「お金」と「時間」を気にせざるを得なくなってしまいます(成長する段階で、これらを意識せざるを得ないのもまた事実です)。
今では、スタジオ代がかかってしまうことも多いですし、そうなると時間も有限です。
もちろんそのメリットもあります。
スタジオで練習すると捗る理由【結論:有限性】
スタジオを取って練習した時に、いつもよりも捗った経験は誰もがあるのではないでしょうか。なぜか家や大学で練習する時の数倍くらい、集中力が増します。気づきや、発見もいつもよりあります。その理由は、有限性にあります。
お金と時間を気にせずに、ただ試す時間を作る
成長すればするほど、ある意味で子供のように楽しむ時間が必要だと思います。
「お金」という概念も「時間」という概念もない世界です。
そこでひたすら良い音楽を求めるのが理想なのかもしれません。
まとめ
資本主義という世の中で音楽活動をしていると、自分は何のためにしているのかわからなくなる時があります。
笑い話ですが、「音楽家は時給換算してはいけない」という言葉もあります。
自分がやりたい芸術を見失わずに、お金を得るための仕事としての芸術ができることが理想だと思います。
それができないうちは、他のことで稼いでみたり、一度音楽から離れてみるのも手かもしれません。
高橋健介 KENSUKE TAKAHASHI Official Website
ピアニスト 高橋健介の公式ウェブサイトです。埼玉県出身。大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学楽理科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。在学中、同声会賞、アカンサス音楽賞、大学院アカンサス音楽賞を受賞。日本声楽家協会講師、二期会研修所ピアニスト。
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