自分で譜めくりできる楽譜の作り方②【めくれるところまで暗譜する】
以前、「自分で譜めくりできる楽譜の作り方① 【伴奏が同じで言葉が異なる時に、歌詞を下に貼る(La danzaを例に)】」を書きました。
今回はその第2弾、自分で譜めくりできる楽譜を作るために「めくれるところまで暗譜」する方法です。
近年は電子の楽譜で本番をやる人も増えていますが、あくまで紙の楽譜で本番をする前提で書いています。
伴奏の場合は、譜面を置いて弾くことがほとんどですし、私は基本的に「譜メクリスト」はお願いしません。
ですので自分でめくる必要があります。
めくれるところまで暗譜する
音楽の都合上、そして楽譜の都合上、楽譜をめくる箇所が休符になっているとは限りません。
(譜めくりを考えてくれているのか!?という譜面も多々あります。)
その際に、楽譜をわざわざ切り貼りしなくてもできる可能性の一つとして、「めくれるところまで暗譜する」という方法があります。
2つのパターン
より詳しく分けると、2つのパターンがあります。
- 次にめくれるところまで暗譜する
- 先にめくるために暗譜する
少し解説します。
次にめくれるところまで暗譜する
ページが変わるところまではめくれないけれど、その少し後ならめくれる!というパターンがよくあります。
そんな時は、めくった先の1小節を覚えておいて、その後にめくります。
このような時ですね。
このページにはめくれる箇所がないのですが、次のページに移った後ならめくレます。
このような場合は、私は「次めくる」と書いておきます。
次のページに移ると、左手の8分休符の時にめくれます(この場合は左手の全音符は諦めることになります※稽古の場合)。
ですので、次のページの1小節分くらいは暗譜しておくようにします。
先にめくるために暗譜する
さっきのパターンとは反対に、ページが変わる少し前にめくれる箇所がある!という時は、先にめくってしまいます。
このような場合ですね。
最後の小節ではめくれないので、その前の小節でめくっておきます。
「めくる」と書いてある箇所でめくるので、実際には1小節分は暗譜することになります。
楽譜の余白にメモを書く
その際に、メモをすると不安はなくなります。
- コードを書く
- リズムや休符だけ書く
- 五線テープを貼って音符を書く
- 和音を隙間に書く
上にあげた箇所ですと、コードとリズムを書いていました。
自分だけわかればいいメモ書きのようなものですね。
その他にも、五線テープを貼って音符を書いたり、和音を五線の隙間に書いたりすることもできます。
まとめ
電子楽譜がもっと便利になったら、このようなことは必要なくなるかもしれません。
そうなったとしても、昔の人はこんな風にしていたのか(笑)!という情報になっても面白いかと思って書いています。
わざわざこんなことを書かなくても、やられているピアニストは多いかとは思います。
ですが昔よく譜めくりしていた頃に、「こんなの少し工夫すれば自分でめくれるじゃないか!」と突っ込みたくなることも多かったので書いてみました。
再開する箇所の目星の付け方(レッスンや稽古)①【最重要:3箇所以上予測すること】
「ニッチな分野のニッチな内容」が意外と好評だったので、シリーズ化してみたいと思います。レッスンや稽古の時に、アドバイスや注意をされたら「中断して、また再開」を繰り返しますよね。その時にピアニストは音をあげたり、和音を弾いてあげたりしなければなりません。そんな時に役立つコツです。
声楽レッスンの伴奏に行く時に気を付けること【止まるべきか止まらないべきかの判断】
先生が間奏とかの時に生徒にアドバイスするために喋る時、やり直すのかと思って、弾くのを止めてしまう時があります。ですが、先生はただ生徒にアドバイスしているだけだった。 そんな時は「先!」と言われます。レッスンの流れや音楽の流れが一瞬止まってしまうので、これはなるべく避けたいですよね。そんな時に気を付けることです。
高橋健介 KENSUKE TAKAHASHI Official Website
ピアニスト 高橋健介の公式ウェブサイトです。埼玉県出身。大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学楽理科を首席で卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。在学中、同声会賞、アカンサス音楽賞、大学院アカンサス音楽賞を受賞。日本声楽家協会講師、二期会研修所ピアニスト。